2026 年
11月 霜月
November
同じものを食べても、健康でお腹が空いている時と、体調を崩して寝込んでいる時とでは味わいがまるで違います。同様に、同じ景色を見ても心がウキウキしているか、イライラしているかで感じ方はまるで変わってき ます。心の状態というものは認識しづらいものですが、健康と同じくとても大切なものだと言えます。
では、良い心の状態とはどういったものでしょうか。仏教において悟りの境地を「涅槃寂静」といい、煩悩の炎が消え、凪いだ水面のように心が穏やかな状態のことを指します。煩悩の「炎」というくらいですから、煩悩にまみれている状態やイライラしている状況とは、身体や心が炎に焼かれているような状態ということになります。そのような状態ではたとえ何をしても、楽しさや喜びといったものをしっかりと感じとることはで きません。
一日のうち少しでも心穏やかな時間を作ること。そしてその時間を増 やしていくこと。それこそが仏さまを観じること、いのちを生かすということなのかも知れません。
東群馬宗務支所 十輪寺 枝井宏栄