お寺からのメッセージ

2018

4卯月

April

「心の海岸に達せんとと発すれば、船を棹ささんには如かじ。船・筏の虚・実を談ずべからず。」(意味)⋯此岸から彼岸に達しようと希望すれば、行動することだ⋯

この言葉からもわかりますように、お大師様は行動の人でいらっしゃいます。お大師様の生涯を見渡してみますと、すべて順調に言ったわけではありません。若いころに都の大学に進み、その学問に矛盾を感じ、退学します。その後、四国の山中で修行に励みますが、詳しいことはわかりません。長らく雌伏され、チャンス到来となりますと機会を逃さず、命をかけて唐に飛雄されます。強運のお方で、恵果和尚から認められ、密教を伝授されます。そして、わずか2年でタイミングよく、無事に帰国されます。その後のご活躍の様子は皆さま、ご案内の通りです。私どもも、毎日、何も変わらないなあと不平不満を言っているだけで、その日暮らししているのでは、何も変化しません。人生は、ある意味、冒険です。お大師さまを見習って、目標を定めましたら、失敗を恐れずに、行動に移したいものです。

高野山学園高等学校

校長 小野芳幸