2021 年
9月 長月
September
「真言は不思議なり 観誦すれば無明を除く」
日常会話の中で私たちは様々な言葉を使います。その言葉には力が宿っているのです。言葉の使い方によって相手を傷つけてしまうことがあります。またその逆に楽しませたり喜ばせたりすることもできます。
お大師様が「音に響きあり」『秘蔵寳論』といわれているように言葉ひとつひとつを大切にしなければなりません。
「真実の言葉を声高らかに唱えれば、愚かさの心の曇りも取り除かれる」『般若心経秘鍵』ともおっしゃっています。
ただ言葉を発するだけでは相手には伝わりません。挨拶を交わすとき、感謝を表すとき、謝罪するとき、気持ちを込めた言葉でなければ相手の言葉には届かないのです。まら気持ちを込めて声に発することで自分自身の心の曇りも払ってくれるのです。
朝起きての第一声「おはよう」という言葉を明るく発することで相手も自分も晴れやかな気持ちで一日が始められるでしょう。
飛龍寺 浦川龍弘