お寺からのメッセージ

2018

11霜月

November

「風葉に因縁を知る、輪廻幾ばくの年にか覚る」

近年の異常気象や大震災等による甚大な被害がもたらされ、尊い命が失われています。とても痛ましいことです。心よりお見舞いを申し上げるとともにご冥福をお祈りいたします。

これらの状況は、自然の理を無視した人類のエゴによる「人災」、大宇宙の流れの中における「変動」がもたらした事象なのでしょう。

そして人類は、最先端の科学の力と英知を集めて困難に立ち向かっています。しかし、困難に立ち向かうための我々の心構えはどうあるべきなのでしょうか。お大師様は次のように説かれました。「風葉に因縁を知る、輪廻幾ばくの年にか覚る」と。

季節ごとの風に飛ぶ花の様子、その時節ごとに生じては落ちていく葉に無常を悟り、流転し輪廻する人間の生き方を長い間に覚りなさいと説かれました。世の中の現象は常に変化してしまう。けれども、諦めることなく異常な変化、予期せぬ出来事に対応しようとする強くて柔軟な「心」を持ちなさいと示してくださっています。

 

群馬 寿楽寺 関原光雅