お寺からのメッセージ

2023

10神無月

October

「物類 形を殊にし、事群 体を分つ。舟車 用を別にし、文武 才を異にす。若し其の能に当れば、事 則ち通快し、用其の宜を失へば、労すと雖も益 無し」

お大師様が「自分に向いていない物事に、その能力を使うなら、労多く、益は少ないだろう」という趣旨のことを仰っています。若いころに都の大学に進みますが、大学の授業や役人になることに意味が見いだせず、仏教に関心を抱くようになります。大学を中退し、仏道修行に励むことになります。

西暦803年にお大師様は運よく、31歳で留学生として遣唐使船に乗り、長安に行くことができました。

青龍寺で密教の第一人者恵果和尚から教えを授かります。帰国したお大師様は京都の高雄山寺入り、密教を広げる活動を始めます。同時に、社会貢献もしています。満濃池の改修、庶民の為の学校の設立といった事業です。

お大師様は、自分探しの元祖です。修行を通じて自分自身を見つめ続け、自分にふさわしい生き方を見つけました。自分探しにふさわしい場所があります。お大師様が開創した四国霊場です。皆さんもぜひ、時間を見つけてお四国参りをしてみてはいかがでしょうか。遍路を通じて、大きなお示しがいただけるはずです。

 

山梨 薬王寺 小野芳幸