お寺からのメッセージ

2021

3弥生

March

「真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く」

新型コロナウイルスの世界的流行により私たちの生活様式は大きく変化しました。不安を感じながら生活する人も少なくないでしょう。

一二〇〇年前、お大師様が生きた時代にも、疫病が流行し、人々が不安に駆られました。当時の天皇、嵯峨天皇は「般若心経」を自ら写経し疫病退散の祈願を行いました。その際、お大師様から「般若心経」の講釈を受けたそうです。その講釈をまとめた『般若心経秘鍵』において、お大師様は、「真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く」と述べられております。

これは真言には不思議な力があり、一心に唱えれば、不安や苦悩を除く力がある、とおっしゃっています。まさにこのことは、ご真言を唱えることで心を落ち着かせ、正しい判断ができることを示しているといえましょう。

今このような疫病が流行する時代、不安や苦悩する方々が多く見られます。そうした時、お手を合わせて、菩提寺におけるご本尊様などのご真言をお唱えすることをお勧めいたします。ご真言をお唱えすることにより、不安な心を静め、落ち着いて、正しい判断ができるようになるでしょう。また、ご真言にはそうした力があることは明らかといえましょう。

不安な時代だからこそ、ご真言をお唱えする必要があるかと思われます。

 

妙光寺 坂本良覚