お寺からのメッセージ

2023

5皐月

May

「如何が己身の膏肓を療せずして、たやすく他人の腫脚を発露すや」※膏肓(こうこう)⋯肩甲骨の内側にある経穴。ここに病が入ると治らないといわれています。

己の病を治療せず他人の腫脚をあれこれ指摘するのは如何なものか。まず己の病を治しましょうと意訳されます。相手の欠点を指摘する前に、自分の欠点を治しましょうとも捉えることができます。

世界各地でまん延しているコロナウイルスの脅威から約三年半の年月が過ぎようとしています。今では新規感染者数は減少傾向にあります。しかし、制限のある生活によって日々のストレスを発散するのは難しく、溜まる一方ではないでしょうか。ストレスがたまると心身ともに余裕がなくなり、相手が不快に思うことなどを平気で口にしてしまいます。

ストレス社会において様々な事象にストレスを抱えている方がたくさんいると思います。そんな時は一度、心も身体も休ませましょう。休むことで余裕ができ、自分にも相手にも思いやりの心を持つことができると思います。

 

福島 遍照院 高野弘隆