2021 年
12月 師走
December
「ちいさな仏さま」
闇夜を照らす一本の明かり、雑踏の中で人知れず咲く一輪の花。どちらも小さな力ではありますが、弱く輝く光の中にもぬくもりを感じ普段は気が付かない控えめのお花でも心を和ませてくれます。
ゴミ収集の日に仕分けをして下さるお父さんたちがおられます。
捨てるのは簡単。でも仕分けするのはとても大変。捨てる前に一人一人が気にかけてくれたらね。こんなことをして何になるのかわからないけど、この分けた一つ一つが誰かの役に立ってくれたらいいね。こう笑顔で話されます。
形あるもの、心あるもの、すべての物には仏さまに種が備わっているのだとお大師さまはお説きくださいました。一滴の水が大海を作り上げるように、各々は小さな力でも、それは果てしなく大きな力になり得る可能性を秘めています。
この仏さまの種一つ一つが皆花開くことをお大師さまは願われ、高野山奥の院にてご入定なされているのです。
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