お寺からのメッセージ

2022

9長月

September

「みんな違ってみんないい」

私は現在、寺院を兼務しながら、保育園の園長として、毎日と子ども達と一緒に楽しい日々を過ごさせていただいております。

園の「食育活動」という取り組みの一つとして、十年以上前から、畑で夏野菜などを一緒に育てています。もう、すっかり私自身が「野菜を育てること」にはまってしまい、野菜を育てる喜びを感じております。

そして、子ども達と一緒に育てていく中で、毎年毎年、様々な発見があります。現在は、十種類の野菜を育てているのですが、毎年必ず育てる人気野菜の一つとして、きゅうりがあります。「こうやってきゅうりってなるんだね!」と、いつも食べているきゅうりがどうなっているのかと初めて知った驚き、体験してみてこそ気づくこと、発見することがたくさんあります。

「あっこのきゅうり、『し』みたい!」

「このきゅうりは、『く』みたい!」

「これなんか、丸くなっちゃってる!」

いつも、スーパーでキレイに置かれているものとは違うきゅうり。一人ひとりの子供たちが違うように、きゅうり一つとっても、全く同じものはありません。しかし、形は違ってもきゅうりはきゅうり。この発見の度に、「人も一緒だな」と感じます。「人」としての本質は変わらないけれども、目に見えるものは違って現れてくる。

「不二不等」。仏様と我々衆生が常に平等であることと一緒に、現在、生を預かって活かされている我々同士も本質は一緒。そして、その違いを認め合い、楽しむことができれば、また未来が明るくなることを感じながら、また明日も子供たちとの収穫を楽しみにしています。

 

東群馬支所 地福寺 藤生義仁