お寺からのメッセージ

2019

12師走

December

「人の鼻下に糞あれば、沈麝等の香を嗅ぐともまた臰し」

令和元年も早一ヶ月余りとなりました。毎年、年末には今年を表す漢字とやらが話題になります。本命は令和の『令』か、対抗に元年の『元』も予想されます。もう少し視野を広げニュースを振り返ると『煽』という文字も要注意です。繰り返しテレビで流れた言語道断のあおり運転。酒をあおった国会議員の、戦争を煽るかのような発言。外交問題では日韓関係が、互いの煽り合いによる対立で、深刻な状態となっています。テレビやインターネットでも思わず怒りを覚える話題が多く、視聴者もその怒りの炎を絶やすまいと、わざわざ「情報」という薪を拾いに行っている感すら有ります。
 御大師様のお言葉に、『人の鼻下に糞あれば、沈麝(ちんじゃ)等の香を嗅ぐともまた臰(くさ)し』と有ります。鼻の下(こころ)に糞(汚れ)があれば、良いお香(大切な事)も感じることが出来ないとの意味です。
 間違った行いに怒りを覚えるのは当然ですが、怒りにとらわれていると、大事な事をかぎ分ける能力が落ちてしまいます。少し自身の鼻の下を確認してみてはいかがでしょうか。

 

東京 室泉寺 佐々木隆之