お寺からのメッセージ

2018

7文月

July

「一心は本より 湛然として澄めり」

梅雨時は、じめじめとしていて何とも鬱陶しい気持ちになります。

晴れていれば、洗濯やお掃除、お気持ちよく捗ることでしょう。何で、毎日雨が降るのだろう、と恨めしい気に空を見上げる方も多いのではないでしょうか。

しかし乍、この梅雨の季節があるからこそ自然界は潤いに満ち溢れ作物は生長し、秋の実りの基となります。

この様に、一見不利益をもたらすことであっても、長い目で見ると正反対のお結果をもたらすことは多々あります。目先のことにとらわれてしまうと、大切なことを置き去りにしてしまいます。

お大師様の言葉に、「波浪の滅生はただしこれ水なり、一心は本より湛然として澄めり」とあります。

私たちの心は、物事の表層だけを見ると様々な悩みが起こりますが、その本質は、しっかりと真実を見抜く力を持っているのだ、と私は解釈しています。

目の前の雨に惑わされず、梅雨の季節を楽しんで過ごしたいものです。

合掌

 

神奈川 般若院 星野芳秀