2022 年
2月 如月
February
「法身いずくんかある。遠からずしてすなわち身なり。智体いかんぞ。我が心にしてはなはだ近し。」
「仏の真理はどこにある。遠くではなく、自分の体の中にある。仏の智慧はどこにある。自分の心の中にあって大変近い」といった意味です。
奇しくも、お釈迦さまも最期の説法で「自灯明、法灯明」とおっしゃっています。自分自身を拠り所とし、教えを拠り所にしなさいということです。神のような超越的な存在を信じなさいとは言いません。
「進化論」を例にあげます。進化論的法則が、まず自然界にあって、ダーウィンがそれを発見しました。彼が進化論的現象を作り出したわけではありません。ダーウィンの考えは批判されましたが、それはお門違いです。彼は、他人の考えにとらわれず、彼自身の研究観や仮設を基に研究を重ね、フィールドワークによって進化論が真理であることを立証しました。ダーウィンは意識していないでしょうが、まさに「自灯明、法灯明」の実践者の典型だと思います。
山梨 薬王寺 小野芳幸