お寺からのメッセージ

2024

5皐月

May

「よく誦じ、よく言うこと鸚鵡もよく為す。言って行ぜずんば、なんぞ猩々に異ならん」(秘蔵宝鑰)

言葉は、ただ発するだけでは意味がなく、行動を伴わなくてはなりません。お大師様は、口先だけの儒者を批判して、冒頭の句のように書かれました。「口先だけならばオウムやサルと同じ」。口ではいいことを言っていても、行動しなければ何の意味もないのです。そしてこれは逆に言えば、行動こそ意味があり、そこに本性が現れるということです。

皆さんの周りにも、口では「何々をする」と言いながら実行しないどころか、真逆のことをしている人が(残念なことですが)よくいるのでは?

それは実際には行動に即した意思を持っていると言わざるを得ません。「ダイエットすると言いながら間食をしている」くらいならかわいいものですが、あくどい内容になり、人に迷惑をかけていると、笑いごとでは済まされません。正しく人の意思を理解し、上面だけの言葉に騙されないようにしつつ、自身はそのような過ちを犯さないことが、本当の人間として生きていくうえで大切です。

 

東群馬支所 浄藏寺 藤生義教