お寺からのメッセージ

2024

8葉月

August

「一切衆生皆是我四恩(十住心第一)」

以前ある被災地へボランティアへ行かせていただいた時のことです。作業にこられていた女性と現地役所の方が作業内容でもめていました。女性は作業内容が気に入らずやりたくないと主張し、最後には「せっかく来てあげたのに!」と捨て台詞を吐いて出ていってしまったのです。

お大師様のお言葉に「一切衆生皆是我四恩」生きとし生けるものは皆お互いに数えきれないくらいの恩があるというものがあります。

生きていくうえで、イラっとしたり、なんでこんなことをやらなきゃいけないんだと思ったり、せっかく○○してあげたのにと愚痴が出てしまうこともあるかと思います。が、そんな時こそ「あ、今自分は偉くなってしまっていたな。傲慢でおごり高ぶってしまったな。感謝と思いやりの心を忘れてはいけないな。」と思い直していただければ、人と争うことや愚痴が出ることなく心穏やかに過ごせるかと思います。

お盆にはご先祖さまやご親戚の方への感謝の気持ちを伝える良いきっかけになるのではないでしょうか。皆様が四恩の心で素敵なお盆をお過ごしできることを願っております。

 

栃木 観音寺 遠藤隆尚